生き残れ、日本の映画界!コロナ禍は映画産業に新風を吹き込むか?

引用元:IGN JAPAN
生き残れ、日本の映画界!コロナ禍は映画産業に新風を吹き込むか?

新型コロナウイルスの感染拡大から約6週間。国内の映画界には様々な「初めて」の冠がつく出来事が増えた。まずは公開の延期に次ぐ延期。ほとんどの作品の新たなリリース日は未定のまま、5月に突入した。前代未聞のことである。親しい友人が、災難に遭ったような、そして今も安住の地を探して彷徨っているかのような気持ちになる。その安住の地である筈の映画館も、扉を閉ざしたままだ。これだけ多くのハコがこれだけ長い間休業しているのは日本映画史上初のこと。第二次世界大戦でも戦後の混乱期でもなかったという。
映画産業は災害や不況を何とか乗り切ることはできてもパンデミックという濁流を前にして、なす術を失ってしまう。ここで断っておきたいのは、Netflixなどのストリーミングサービスと従来の映画産業は全く別の生き物だということだ。特に映画製作、宣伝、観客、映画館という4点の間を律儀に廻ってきた日本の映画業界は大ダメージを受けた。リーマン・ショックや3.11をどうにか生き抜いてきたというのに今回ばかりは手詰まりの感が濃厚だ。そもそも公的援助や保障も乏しいまま休業要請だけを言い渡すのは映画館にとってあまりに酷な話だ。やっと映画が見れる頃にはハコそのものがなくなっている可能性もある。それを考えると、絶望感が胸を突き上げる。
しかし映画人は唯々諾々とこの事態を受け入れているわけではない。ハコがないのなら作ればいい、とばかりにハッチという会社が立ち上がった。シアターイベント「Do It Theater」などを手がけるこの会社が、昔懐かしいドライブイン映画館を発案したのだ。ドライブインシアター。車で駐車場のような広く開放的な場所に乗り付け、そこで前方にあるスクリーンを眺めるというものだ。敷地内には売店やトレイもあり、1960年代のアメリカで大ヒットした映画館の形態である。車から降りずに映画館体験ができるのでドライブインシアターはこのコロナ禍にうってつけである。最初の緊急事態宣言が出たあたりから、ハッチはクラウドファンディングで資金を募り、準備を進めている。8月7日までに250万円の資金を集め、大磯ロングビーチでの上映が目標だ。

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野外映画上映のプロ集団、Outdoor Theater Japanも負けていない。SNSを通じ47都道府県の全てでドライブインシアターを開催すると発表した。そしてすでにドライブインを実現した企業もある。4月4日と5日に山梨県の甲斐市にあるショッピング・モールが屋上で行った。上映作品は『ペット2』で、モールに買い物に来た家族が皆で楽しめる作品のチョイスであった。
ドライブインシアターは都心より郊外の方が実現しやすい。本家本元であるアメリカではコロナを避け、大都市を離れたフロリダやテキサスですでにドライブインが復活している。ポスト・コロナの世界では様々な意味で「大都市離れ」や「大企業離れ」が起こるとされるが映画産業も例外ではない。すでにハリウッドでは撮影の拠点を感染の比較的少ないアトランタやアラスカに移し、さらにロケ地をグリーンランドなどに求める動きが出てきた。リモートワーク全盛の今、撮影クルーは最小人数に制限し、打ち合わせもスカイプやズームで行い、キャストのオーディションは全てオンラインで。ハリウッドがこの方向に舵をきれば、日本も遠からず同じように撮影のインフラを再編成していくだろう。
ここで気になるのが映画をとりまくプロモーションや宣伝の業界である。大映画会社お抱えの宣伝部とは別に、中小のプロモーション会社が幾つも凌ぎを削っているのがこの業界の特徴である。今まではフリーの宣伝マンやウーマンを募り、国内の映画祭や海外からの来日イベントに合わせて稼働していた。が、ここに来て仕事のやり方を一気に変えざるを得なくなった。試写やインタビューを組んでマスコミにアピールする方式が立ち行かなくなった今、プロモーターはひとつひとつの作品をSNSなどを通じて自ら告知して行くやり方に切り替えた。

それにしても映画館の臨時休業が足枷になっているが、ここに一筋の光明がさした。帰国したNY在住のドキュメンタリー映像作家、想田和弘と配給会社の「東風」がタッグを組み、「仮設の映画館」という取り組みを発案した 。

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